人を起点とした「4X思考」で日本企業の新たな価値を創出
企業の変革における戦略立案から実行までを支援する総合プロフェッショナルファームとして、富士通グループ内に2020年に設立されたRidgelinez(以下、リッジラインズ)。同社はすべての変革を「人」を起点に発想することをパーパスに掲げ、その実現に資するフレームワークとして「4X思考」を提唱し、様々なクライアントへコンサルティングサービスを提供しています。今回、リッジラインズのコンサルタントを募集するにあたり、同社が従来のコンサルティングファームとどのように異なり、どのような価値を生み出しているのか。そして、コンサルタントとしてどのようなキャリアが描けるのか。上席執行役員Partnerの平山将氏にお話を伺いました。
「人」を起点に、複雑性の高い「攻め」の変革に挑む
Q:リッジラインズ設立の経緯と会社概要についてお聞かせください。
リッジラインズはクライアントの変革をリードすべく、2020年に設立した富士通グループの総合プロフェッショナルファームです。富士通では現代表取締役の時田が就任した2019年から、パーパス・事業ポートフォリオ・ブランドの見直しをはじめとした大胆な改革を進めています。こうした大企業の改革をよりクイックに進めていくためには、従来とは異なる価値を有する独立した組織が必要だという判断から、リッジラインズを設立。私はこのタイミングで富士通の経営戦略室に異動し、改革の一環としてリッジラインズの設計・経営にも携わってきました。
リッジラインズには、業界別のコンサルティングを提供する「Industry Group」、人事やマーケティングなどのビジネステーマのコンサルティングを提供する「Competency Group」、テクノロジーの力で変革を駆動していく「Technology Group」の3つのグループがあり、各グループに参画するコンサルタントが協働でプロジェクトを進めています。戦略立案、業務改革、テクノロジーの実装までを多種多様なメンバーで推進することができるため、スピード感を持ってクライアントの変革に伴走することができます。
また、私たちは富士通グループの中の一社ではあるものの、独立したフラットな立ち位置をとっており、クライアントにとって最適なソリューションを提供することを重視しています。そのため、富士通と協働することもあれば、富士通以外の会社とプロジェクトを推進することもあります。
Q:リッジラインズが「人起点」の変革をパーパスに掲げる理由についてお聞かせください。
日本の企業は様々な形でDXなどの変革に取り組んでいますが、欧米の企業に比べてコスト削減などの「守り」の目的をもって臨むケースが多い印象です。しかし、昨今の環境変化に対応するためには、企業はより本質的な価値創出につながる「攻め」の変革にも取り組む必要があります。それに伴い、企業が取り組む変革は複雑化しつつあります。
社会課題の解決に貢献するような変革は、一企業、一事業部内では成し得ないものがほとんどです。その複雑性の高い変革を実行するためには、企業や事業部が垣根を越え、従来のビジネスにとらわれない横断的なアプローチに挑む必要があります。一方、企業が長年にわたり育んできた組織の裏側には、個別最適化された業務が存在していますから、経営層が発する「改革」の一言で現場を一変させるのは極めて困難です。
こうした背景から、私たちは一人ひとりの行動様式に着目した「人起点」の変革を重視しています。経営者、従業員といった人々の価値観や行動を変えるところまで支援することができるのが、私たちの強みです。
独自の「4X思考」が全社的かつ長期的な変革を成功に導く
Ridgelinezが提唱する、全社変革を加速させる「4X思考」アプローチ
Q:「人起点」の変革を実現するためのフレームワークとして、「4X思考」があるとのことですが、詳しくお聞かせください。
「4X思考」とは、人の体験に着眼する「CX(カスタマー・エクスペリエンス)」と「EX(エンプロイー・エクスペリエンス)」、そしてビジネスを高度化させる「MX(マネジメント・エクセレンス)」と「OX(オペレーショナル・エクセレンス)」という4つのXを連携させ、中核にパーパスを据えることで包括的な変革を実現するフレームワークです。
例えば、クライアントから「新しいサービスをつくりたい」という相談をいただいたとします。従来のコンサルティングであれば、CX領域のコンサルタントがその要望に応じて新規サービスを設計することが基本となると思いますが、私たちはその先にあるEX、MX、OXの領域までを見据えて支援します。というのも、エンドユーザーから利用され続けるサービスを提供するためには、実際にサービス提供を担う従業員の運用プロセスやマインドセットも変えていかなければなりません。また、サービスの状況をリアルタイムで把握するためには、経営サイドの変革も必要です。
DXにおいて十分な成果を感じている企業の多くは、この4Xを踏まえ、全社的な変革を推進しています。一方で、その変革を実現するためには段階的なアプローチが求められ、その基盤を作るためにはおよそ5年以上の歳月がかかることもデータ(※)から明らかになっています。そのため、私たちは本質的な変革において必要不可欠な「4X思考」のフレームワークとテクノロジーの力を活かしながら、多角的に支援し、変革を加速させることを提供価値と捉えています。
※Ridgelinez独自の変革フレームワークである「4X思考」で分析したレポート「Human Transformation(HX) 調査レポート2024」
従来のコンサルティングファームとは異なる価値創出の仕組みとは
Human Values Lab.共鳴する社会展(Ridgelinez本社)
Q:リッジラインズがそうしたコンサルティングに取り組める理由や、独自性につながる社内の取り組み例などについてお聞かせください。
リッジラインズはコンサルティングファームとしては後発の会社ですが、だからこそ既存のコンサルティングに対する課題意識を持つメンバーが集まっています。従来のコンサルティングファームでは、コンサルティングを起点に、ビジネス規模を求めて特定のソリューションやサービスに誘導するようなアプローチも増えていると感じます。しかしその手法は、クライアントの真の課題解決につながらないケースもあります。そういった業界構造に課題を感じたコンサルタントが多く在籍するからこそ、「人起点」の変革を実現できる組織であるといえるでしょう。
取り組みの一例を挙げると、私たちは人の価値観をデータによって可視化する「Human & Values Report」を定期的に公開しています。「人起点」の変革に重きを置くコンサルティングファームとして、より深いレベルでエンドユーザーを理解する仕組みを作り、定点観測したデータを毎年アセットとして提供しているのは、私たちの独自性のひとつです。
また、リッジラインズはD&I(ダイバーシティー&インクルージョン)に注力し、多様性に富んだメンバーが活躍できる組織作りに注力しています。互いの違いを尊重しあいながらシナジーを生み出すことを重んじる組織だからこそ、異なる領域の専門家同士が連携する「4X思考」のフレームワークを実現できるのです。
加えて、デザイナーやエンジニアに対してコンサルタントが優位になるような組織づくりや、異なる領域に強みを持つコンサルタント同士が個別にプロジェクトを回すような業務設計を、私たちは意図的に避けています。これもまた、従来のコンサルティングファームと異なるポイントかもしれません。
Q:「人起点」や「4X思考」が生きたコンサルティング例についてお聞かせください。
ある通信会社の事例をお話しします。同社はCXに端を発した変革に取り組み、約4年の月日を経てサービスの解約数20%削減、高い顧客満足度の実現、経営利益率115%への改善といった成果を生み出すことに成功しました。
主な支援内容としては、解約原因となっていたマーケティング施策の見直しやサイロ化した組織の再編、データ集約といった施策が挙げられます。組織のサイロ化によってクライアントに提供されるサービスが分散していたことは大きな課題だったため、組織横断のCX部門を新たに立ち上げ、エンドユーザー起点の視点を育む勉強会を定期的に開催するなど、従業員のマインドセットを変えるための地道な取り組みを続けました。
また、顧客接点やサービスから得られるデータを統合し、各部門が連携してエンドユーザー起点のアイデアや体験を提供できる環境を整えました。これに伴い、経営陣が感覚ではなくデータに基づいて判断を下せるような基盤も構築できたのです。
本事例はCX領域における課題を起点に、EX、MX、OXそれぞれの領域を横断しながら「人起点」で全体の設計を行ったことで、変革に成功した事例だと考えています。
「越境スキル」を習得できる環境で自身の強みを拡張していく
Q:リッジラインズで働く魅力は何でしょうか。
自身の専門領域だけでなく、ほかの専門領域にも挑戦できる環境が整えられており、「越境スキル」を育めることが魅力だと思います。その魅力が伝わりやすい一例として、オルビス株式会社の事例を紹介します。
オルビスが手掛けたパーソナライズスキンケアサービス「cocktail graphy(カクテルグラフィー)」は、IoTデバイスによって取得した肌の状態に合わせて最適化された基礎化粧品やケア情報を提供するサブスクリプションサービスです。私たちは本サービスのコンセプトデザインやアプリ制作、ブランディングなどを包括的に支援したのですが、このプロジェクトマネージャーを担ったのは、デザイナーのメンバーです。
デザイナーがこのスコープの広いプロジェクトのプロジェクトマネージャーの役割を務めるのは難易度が高い挑戦ではあるものの、自分の専門領域以外での経験は越境スキルを得る機会となります。そのデザイナーはプロジェクトマネージャーを経て、自身のデザインをテクノロジーチームに対してどのようにブレークダウンするか、あるいは戦略をどうインプットすべきかといった視座を新たに育み、進化しながらほかのプロジェクトに活かしています。
Q:コンサルタントも同様の挑戦の機会に恵まれるのでしょうか。
コンサルタントも同様に、戦略やビジネスモデルを描くコンサルティング領域の専門性を超えたスキルを獲得する機会が多くあります。戦略を運用に落とし込んでいくプロセスをリードすることもありますし、他職種のスキルをコンテンツ化した社内ライブラリーを活用することで、自らスキルを拡張していくことも可能です。
「4X思考」を軸に包括的なコンサルティングに挑むリッジラインズでは、多彩な専門性を持つメンバーとコラボレーションしながら新たなスキルを育む、あるいは自身のスキルをストレッチするチャンスが多くあると思います。リッジラインズは、こうしたコラボレーションを促すために、他の領域と協業してプロジェクトを推進することを評価する仕組みを設けています。加えて、従業員一人ひとりの価値観の可視化や、合宿を通じて個性を引き出す場づくりにも積極的に取り組んでいます。
企業間連携を促進することで、新たな価値創出の幅を広げる
Q:「人起点」や「4X思考」のコンサルティングを通じ、リッジラインズが目指すコンサルティングファーム像をお聞かせください。
私は、リッジラインズを「人起点」で企業同士の連携を促し、1社だけでは対応困難な課題の解決やシナジーを生み出す支援ができるコンサルティングファームにしたいと考えています。
例えば、デジタル技術が生み出す「新時代の暮らし」が体験できる施設のプロジェクトにおいて、私たちは建設業者と自動車メーカーのコラボレーションを促す役割と、人を起点としたデータを連携させる設計部分に携わりました。家屋が人々の暮らしに関するデータを学習し、最適な家に成長していくというのが、本施設におけるコンセプトです。
空調や光が自動で調節されるのはわかりやすいかもしれませんが、そのほかにも企業が連携することで初めて実現できるユーザー体験があります。枕から取得した睡眠の質や時間のデータに基づき、目覚めたあとの安全な運転をサポートするアラートを自動車が発してくれるといった機能は、人起点で企業間連携を生み出すシナジーの一例です。
企業が新たな付加価値を生み出していくための支援のあり方として、特にクロスインダストリーで企業間連携を促進することに将来性を感じています。こうしてあらゆる企業をつないでいくことで、世界にまだない価値を日本から生み出すことにも貢献していきたいと考えています。
Q:では、目指す姿の実現に向けてどのような方と一緒に働きたいとお考えでしょうか。
リッジラインズは新たな価値を創出することを存在意義とするコンサルティングファームですので、既存の慣習にとらわれず、新しいことに挑戦したいと考えている方々と共に働きたいです。「これをやりたい」という思いがある方にはチャンスを提供できる環境ですから、グロースマインドセットを持つ方に来ていただけるとうれしいです。
また、リッジラインズは採用活動において「個性の融合は、強さだ。」というテーマを掲げています。自分自身のスキルや経験に固執してしまったり、他者の強みを生かす意識がなかったりすると、そこからシナジーは生まれません。互いの違いを認め合い、その違いから新しいものを生み出していこうというマインドがある方は、特に活躍できると思います。
業界の前提や慣習にとらわれず、課題解決への挑戦心を持つ人材を
Q:活躍しているコンサルタントに共通する特徴はありますか。
リッジラインズのコンサルタントは、コンサルティングファーム出身者から事業会社経験者まで、多彩なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。共通点として挙げられるのは、自身の過去の経験から従来のビジネスモデルや慣習に疑問を抱き、本質的な課題解決に挑みたいと感じてリッジラインズに参画しているところかもしれません。
Q:最後に、転職を検討されている方へのメッセージをお願いします。
私たちは従来のコンサルティングファームとは異なる新たなアプローチで、企業が新しい価値を生み出す支援をしていきたいという思いを強く持っています。私たちは、こうした思いの実現に向け、コンサルティングサービスを提供しており、クライアントから依頼を受けた課題を解決するという従来のコンサルティングファームの役割を超えているかもしれません。今後リッジラインズに入社してくださる方々には、新たなポジションの第一人者として活躍し、成長できる機会があるということもお伝えしたいです。
業界の前提や慣習にとらわれず挑戦したいと考える方々とともに、新しい日本を創っていきたいと考えていますので、その思いに共感してくださった方はぜひご応募ください。
平山 将上席執行役員Partner
Customer Experience Practice Leader
リテール、メーカー、金融・保険、サービスなど、幅広いクライアント向けに300件を超えるCX・デジタルマーケティング・CRM戦略立案や新規サービス企画開発プロジェクトに従事。富士通においてデジタルマーケティングなどの新規事業を主導し、新規領域の開拓で3,000億円を超えるビジネスを創出。コンサルティング・セールス・アジャイルSE・データサイエンティスト・クリエイティブデザインなど幅広い業務におけるマネジメント経験を有し、富士通の経営戦略部門でのDX戦略立案・実践経験を経て現職。
リテール、メーカー、金融・保険、サービスなど、幅広いクライアント向けに300件を超えるCX・デジタルマーケティング・CRM戦略立案や新規サービス企画開発プロジェクトに従事。富士通においてデジタルマーケティングなどの新規事業を主導し、新規領域の開拓で3,000億円を超えるビジネスを創出。コンサルティング・セールス・アジャイルSE・データサイエンティスト・クリエイティブデザインなど幅広い業務におけるマネジメント経験を有し、富士通の経営戦略部門でのDX戦略立案・実践経験を経て現職。
記載された内容、お問い合わせ先などは掲載時点のものです。
その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
ビズリーチ 公募ページ「Ridgelinez株式会社」(2024年07月16日公開)より転載