カスタマーエクスペリエンス
人の価値観、企業の事業性と存在意義を捉え、人・顧客に提供する価値を最大化するアプローチにより、企業のCX変革に伴走
人々の価値観や行動がドラスティックに変化し、デジタル化が急速に進展する不確実性の高い時代において、優れたカスタマーエクスペリエンス(Customer Experience、以降CX)を実現することで顧客のエンゲージメントを高め、顧客基盤の安定化とLTV(Life Time Value)向上を目指すことは、経営における重要なアジェンダの1つとなっています。
一方、CX向上のためのデザイン思考法やマーケティングモデル、チャネルのデジタル化、デモグラフィックデータ活用といったベストプラクティス/トレンドに各企業が従った結果、CXの表層的な模倣と同質化が進み、エンドユーザーが企業の特徴や独自性を感じることが難しくなるという問題が生じています。
また、短期的なコンバージョンをゴールとしたKPI設計や、その実現に向けて効率化されたデータによる顧客理解の仕組み作りの弊害として、表層的な顧客理解にとどまり、「おもてなし」に見られたお客様に心地よさを提供する日本ならではの強みが損なわれつつあります。
消費行動が多様性、自己表現、環境や健康への配慮にシフトするなど、人々の価値観の変曲点にある現在、この価値観の変化を捉えた新たな体験を提供するプレーヤーが既存の市場や習慣を破壊し、新たな習慣を生み出しています。
したがって、今一度、戦略と企業文化の中心に人を置いて人や顧客の価値観を理解し、自社の存在意義を見つめ直すことが必要です。そして、企業が選ばれ続け、持続的に成長していくうえでは、一過性のエクスペリエンスを超えて新たな習慣、新たなカルチャーを創出し、育てていく取り組みが重要となっています。
Ridgelinezでは、選ばれ続ける事業の創出・差別化されたCXの実現の要諦を次のように考えます。
①顧客の価値観の変化を捉える(Human)
1つの企業の商品の購買や利用といった断片的な顧客の行動情報だけでなく、人の意思決定や行動に大きな影響を与える価値観を捉える手法で、ターゲットへの提供価値のGAPを捉える
②自社の存在意義を体験へと具現化する(Identity)
企業やブランドが培ってきた独自性を研ぎ澄まし、顧客に新たに訴求したい魅力やメッセージを再定義し、製品やサービスに反映させることで、ブランド戦略を事業戦略に融合させる
③顧客とのつながりを評価する指標へシフトする(Business)
短期的な販促結果だけでなく顧客エンゲージメントを指標化するために、組織間のサイロを壊し、全社的なCXのKGI/KPIを再定義する
④価値を継続的に進化させる仕組みを構築する(Value)
顧客の反応やビジネス貢献をファクトドリブンで評価しながら、顧客接点・サービス・組織等を進化させ続けるCXチェンジマネジメントのフレームワークを構築する
これらの要諦を踏まえて、Ridgelinezでは人の価値観(Human)、企業の事業性(Business)と存在意義(Identity)を捉え、人・顧客に提供する価値(Value)を最大化するアプローチにより、企業のCX変革に伴走します。
顧客の本質的価値観を捉える独自の手法を用いたリサーチと、市場構造や企業内の事業構造といったファクトリサーチによって企業のあるべき価値提供を見極め、ブランド戦略と事業戦略を融合したCX戦略として、ビジネス目標、クライテリア、カスタマージャーニー、必要な顧客接点・商品&サービス・テクノロジー基盤・業務基盤の詳細をデザインします。
策定したCX戦略に基づき、プロトタイピングとスモールスタートによる迅速な仮説検証を繰り返しながら段階的にCXを変革し、顧客への提供価値向上・ビジネス貢献に至るように継続的に進化させていきます。
Ridgelinezでは、Strategy・Creative Design・Technologyの3つの高度専門性が融合したチームが、CX戦略の策定から具現化と実行(企画/実装/運用)、施策の高度化までフルファネルで伴走します。
カスタマーエクスペリエンス事例紹介
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大手生命保険会社向けCX戦略策定支援
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックをきっかけに、消費者のコミュニケーションや購買体験のデジタルシフトがより一層加速しています。
販売員による対面での接客を強みとしていた、ある大手生命保険会社も、消費者の行動様式のデジタルシフトに伴う競争力の低下リスクを抱えていました。
そこで、Ridgelinezはデジタルを活用した新しい顧客体験と収益向上の構想策定を提案しました。顧客契約前の潜在層との関係性づくりから、契約、その後のライフサポートに至るまで、デジタル接点・データを活用して個別化されたカスタマージャーニーの具体化と、新規顧客獲得経路やアップセルといった収益向上戦略について設計するとともに、必要なシステムプラットフォームの基礎設計までを支援しました。
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大手通信事業者向け新サービスデザイン
ある大手通信事業者では、新しい技術規格の実用化と普及に伴う新規事業の立ち上げを目指していました。
Ridgelinezでは、ビジネスコンサルタントによる事業モデル設計と、クリエーターによるクライアントとの共創アイディエーションワークショップを通じ、提供すべき核となるValueを明確化したうえで、体験価値と事業性の両面で新しいサービスアイデアを構想し、コンセプトムービー作成を通して実生活における新技術の利活用シーンについてステークホルダーの共感を集めることに成功しました。
サービスローンチに向けたビジネスプランニングとサービスプラットフォーム開発のフェーズにおいても、Ridgelinezのビジネスプロデューサー/デザイナー/サービスエンジニアが継続的に支援し、プロトタイプを作成しながらサービス性と技術的実現性の双方の観点から企画の具体化を進め、開発の伴走支援を行っています。
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大手ITサービス業向けデータドリブンCXマネジメント導入支援
ある大手ITサービス企業では、顧客情報が現場依存の管理になり、かつ組織ごとのサイロ化が進んでおり、顧客の声を全社のマーケティングや経営に還元できないという課題を抱えていました。
Ridgelinezでは、クライアント内に分散していた顧客情報や顧客ロイヤルティー指標調査等で取得した顧客の声を集約し、経営・マーケティング・営業などの業務に個別化したレポーティングを行う全社的な分析環境の導入と、データに基づいて示唆を得られるような業務定着化の支援を行いました。
クライアントは集められたデータから新たなニーズを把握してオファリングを開発したり、収集した顧客の声をフィードバックするコミュニケーションツールに活用したりすることで、新たなカスタマーエクスぺリエンスの取り組みを推進しています。