マネジメント・コントロール
経営管理のあるべき姿を最新のテクノロジー・開発手法により素早く実装、成果を早期に創出
先行き不透明な時代であっても、経営陣は社内外の財務・非財務情報を正しく、かつ迅速に把握し、的確な舵取りをしなければなりません。データドリブン経営の必要性が叫ばれて久しく、経営環境の変化が激しい昨今においては、その重要性はますます高まっています。しかし、その必要性、重要性を認識してはいるものの、データドリブン経営を実現できている企業は極めて少ないと言わざるを得ません。
Ridgelinezは大きく3つの問題があると考えています。
- 最初に、「部門間でデータを共有できていない」といった「データ・システム」の問題。そのため、データの収集に時間がかかり迅速な意思決定につながらないケース、あるいはデータ収集の過程で人の解釈が入った歪んだデータになってしまい、誤った意思決定に陥るケースもあります。
- 次に、「データだけをリアルタイムに集約できたとしても、そのデータの意味を解釈できない」といった「スキル」の問題。迅速な経営判断・意思決定を行うためには、財務・非財務情報などの管理指標を可視化するだけでは不十分であり、それらの数値やその変化の意味を解釈し、正しい判断・意思決定を支援する、いわゆるFP&A(Financial Planning & Analysis)機能を強化する必要があります。
- 最後に、かつてピーター・ドラッカーが言った “Culture eats strategy for breakfast(=戦略は文化の前には歯が立たない)”という言葉のように、変革の前に立ちはだかる「文化の壁」の問題。「データ・システム」、「スキル」の問題をクリアしていても、「文化の壁」が高く(あるいは分厚く)、実現に至っていないという企業は多いのではないでしょうか。
Ridgelinezでは、経営としてマネジメントすべきデータを体系化し(Strategy)、経営陣や事業部門が使いやすいダッシュボードをアジャイルに開発する(Design × Technology)ことから、人材育成・スキル強化、そして文化の変革に至るまで、データドリブン経営の実現に向けて粘り強く伴走します。
データドリブン経営(経営管理)には3つの施策の組み合わせが必要
1.可視化
指標の体系化や見直しだけではなく、企業全体の年間イベントや会議体、アジェンダそのものも再設定する。
各種会議アジェンダを段階的にBI化・自動化し、経営陣にも使ってもらうことでダッシュボードを活用した会議運営へ変革させる。
詳しくは以下のコラムを参照
・マネジメント体験を起点にデータドリブンな企業カルチャーへ変革 ―経営管理DXの負のスパイラルからの脱却―
2.技術活用
業績集計のマンパワー依存をやめ、自動連携できるようデータ基盤を整備する。
計画作成をデジタル化させることで計画の整合性を保ちやすくなる。ファイナンス部門も関与させることで、事業の健全性を診断できるようにする。
詳しくは以下のコラムを参照
・ファイナンス業務の圧倒的な効率化を実現するプロセス・オーケストレーションとは
3. FP&A機能
ダッシュボードに現れない情報も含めた要因分析と、対処案を提示し、意思決定を支援する。
先行指標に基づく客観的な将来予測と対処案を提示し、意思決定を支援する(将来予測と対処案の立案)。
詳しくは以下のコラムを参照
・変革を支える経営管理―FP&Aが果たすべき役割とは―
・“攻め“のファイナンス組織を目指した組織・人材の変革 ―日本型FP&Aの実現に向けて―
3つの施策の組み合わせについては以下のコラムを参照
デジタル時代の経営管理(データドリブン経営を含む)の実現に向けては、経営管理のあるべき姿を固めて、最新のテクノロジーおよび開発手法を活用して素早く実装し、成果を早期に創出することが重要であり、さらにその成果を基に、文化の壁をお客様と共に粘り強く突き崩していくことも極めて重要だと考えています。
- Ridgelinezは、経営管理のあるべき姿、すなわち意思決定を支える経営情報基盤とプロセスはどうあるべきか、そしてその実践にあたって事業部門やファイナンス部門はどうあるべきかをお客様と共に描き、お客様のデジタル成熟度と経営管理の成熟度に応じて、あるべき姿に至るまでの道筋をデザインします。
- Ridgelinezは、テクノロジーを活用して、素早く実践・検証を繰り返し、短いサイクルで成果を出しながら、経営管理のDX、ファイナンス機能の高度化、定常業務の効率化を支援します。中でもファイナンス機能の高度化にあたっては、人材育成・スキル強化にとどまらず、ファイナンス組織のあり方を見直し、最適な人材配置を支援します。また多くの企業ではファイナンス部門は定常業務に多大な時間を費やしていますが、SaaS/ローコード開発プラットフォーム(Low-code Platform)を活用して、プロセスとデータをデジタルにつなぐ新しい業務のあり方(定常業務の効率化)を提示し、トランスフォーメーションを支援します。
- Ridgelinezは、文化を変革することの重要さと大変さを理解しています。成果を示しながら歩みを進めることは当然ですが、変革を実践するための体制構築、コミュニケーションのあり方など、企業に適した方法で粘り強く変革の道を伴走します。
マネジメント・コントロール 事例紹介
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自動車部品メーカーにおけるデータドリブン営業への改革支援
国内の自動車部品メーカーでは、主要事業である部品の需要が今後、先細ることを予見しており、既存顧客向けの売上増加だけでなく新規顧客獲得も必要であることを認識していました。
Ridgelinezはクライアント内で認識されている課題リストを基に、これまでの勘・経験・度胸に依存した営業スタイルから、情報を知恵に変えて、社内コミュニケーションを密にすることによって顧客への価値を高める営業に改革する必要があると考え、顧客への理解をより深め、関係性を強固にする「営業力強化」と、社内外のデータ収集の早期化、分析の高度化、社内連携の強化のための「基盤整備」という、大きく2つのテーマを設定しました。
クライアントと共にマネジメントストーリーを再定義し、BI(Business Intelligence)やCRM(Customer Relationship Management)/SFA(Sales Force Automation)をアジャイルで業務へ適用するなど、業務定着化から組織風土の変革まで伴走し、年間9000時間の業務削減を実現しました。また経営・ミドルマネジメント・現場マネジメントなどマネジメント層においても、データを中心とした企業変革が定着しつつあります。
今後、グローバル全体への展開、およびマーケティング、製造などすべてのバリューチェーンでのデータ活用の推進など、全社への拡大・浸透においてもパートナーとしての価値創出をクライアントから期待されています。
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自動車メーカーにおけるデータ活用と従業員体験向上を通じた顧客体験の向上支援
国内の自動車メーカーでは、中期経営ビジョンの実現にあたって、データ活用による業務品質の向上、および技術の導入による従業員の体験(EX:Employee Experience)の向上を通じて卓越した顧客体験(CX:Customer Experience)を提供することが不可欠でした。
Ridgelinezでは、データ活用による業務品質の向上から着手し、トライ&エラーを繰り返しながら特定部門のBI活用に向けたPoC(Proof of Concept:概念実証)を複数同時に対応し、その成功体験や組織横断的な課題をきっかけに全社的なBIの整備に発展させ、付帯作業軽減などの業務改善(年間約6000万円のコスト削減)につなげることができました。またBIでの全社変革モデルを横展開し、様々なデジタル技術を活用した働き方改革の支援を行い、従業員体験の高度化と意識改革につなげることができました。
さらに、今後に向けてはデジタルマーケティング実現のための体制・土台作りに着手し始めています。
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建設業者における経営ダッシュボードの構築とチェンジ・マネジメント支援
国内の建設事業者では、支店の業績管理をExcelでのバケツリレーで行っていましたが、タイムリーかつ正確に業績を把握できない、また業績予測精度が低く今後の経営の力点をどこに置くべきか、リソース配分をどうすべきか判断できないという状態であるため、データドリブン経営への転換が必要だと考えていました。
Ridgelinezはどの場面・どの時点で、どのデータを用いて経営判断をしているか棚卸を行い、経営判断を支援するダッシュボードを、優先度の高いものから順に月に1つの頻度でアジャイルに構築し、実際の経営会議や部門会議での活用を支援しました。都度、要改善点のインプットをいただき、より充実したダッシュボードにブラッシュアップしています。
まだプロジェクトを開始して間もない現時点で、クライアントからはダッシュボードのリアルタイム性や正確性、および先読みが可能になったことを高くご評価いただいています。今後、さらに適用範囲を広げて、経営陣や部門の実際の行動・文化の変革へと発展させ、経営インパクトにつなげていく予定です。
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情報サービス業におけるFP&A人材育成と組織体制の整備支援
大手情報サービス業では、計数管理を担う人材が経理・事業側双方に分散していることが多いため、経営報告のための集計・資料作成が煩雑になり、時間がかかることも多いため、事業の正確な情報がタイムリーに本社・経営に伝わらず、正確な予測に基づく意思決定が行いにくい状況にありました。
Ridgelinezは、集計を効率化するためのダッシュボードの構築に加え、ダッシュボードを用いた「対処案」を検討・説明できる人材の育成支援も行っています。将来、経営管理のプロフェッショナルとして活躍できるよう、スキルとマインドの双方に伴走してご支援しています。
今後もレポートラインや組織体制の変更、評価制度やキャリアパス確立などへと取り組みを進め、データドリブン経営に必要な、「人」「組織」の変革を支援していきます。