「人起点」の発想でDXを進めるRidgelinez、エンジニアリングチェーン改革のためのデータ体系整備に関する調査結果を発表
2021年09月01日 プレスリリース
Ridgelinez株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:今井俊哉、以下Ridgelinez)は、「エンジニアリングチェーン改革を加速するデータ体系整備『Bill of X(BoX)』」に関する調査結果を発表します。
本調査では、製造業で喫緊の課題となっているデジタルトランスフォーメーション(以下DX)の推進に関し、根幹となるエンジニアリングチェーンの領域においてシステムやツールの導入レベルの活動はあるものの、デジタルを活用してビジネスモデルやビジネスプロセスの変革に至るような取り組みに達していない現状と、その阻害要因が明らかになりました。
その結果を踏まえRidgelinezがBoXと呼ぶデータ体系整備に基づくプロセス変革事例・創出効果について、全体の生産性を約30%向上させる業務プロセスを構築した株式会社島根富士通(以下島根富士通)における取り組みを基に説明するとともに、データ体系整備(BoX)を構築するためのアプローチについて解説します。
本調査および分析の結果から、今後の製造業におけるDX化推進の課題、その課題解決においてRidgelinezが果たせる役割など、現状打破のための未来志向としての展望も掲載しています。
要旨
エンジニアリングチェーン強化に向けたデータ体系整備の必要性と進め方
Ridgelinezでは、エンジニアリングチェーン改革にあたっての最大の要素は、設計~製造~品質~マーケットの各プロセスが連動して最適化されることであり、その核となるのが、BOM(部品表)/BOP(工程表)をはじめとした、データ体系の整備とそれを支えるプロセスであると考えています。しかしながら、その関係者や範囲は広大で、一挙に進めることは難しく、着実に改革を進めていくためには、専任組織による計画的な活動牽引、外部スキルの活用、トップのコミットメントが欠かせません。
データ整備によるプロセス変革事例・創出効果
島根富士通では、ノートパソコンやタブレットの生産を行っていますが、お客様ごとのカスタムメイド製品が中心であり、オーダーごとにすべて仕様が異なります。また、製品種類が豊富で、かつライフサイクルも短く、お客様からは短納期でのデリバリーを求められる傾向にあります。このような背景の中、島根富士通では長年のものづくり革新活動を通して、デジタル化やプロセス改革を行い、究極のマスカスタマイゼーションものづくりを実現しています。本事例は変革の一例ですが、他の製造業のお客様におかれましても、データ整備がものづくりの効率化に役立つことと思われます。
データ体系整備『Bill of X(BoX)』のアプローチ
BoXによるデータ体系整備の目的は、バリューチェーン上の様々な部門や機能をデータでつなぎ、新しいプロセスを創出することにありますが、その実施にあたっては、目的別にSTEPを踏み、STEPごとの効果を享受しつつ理想的な状態に近づけることが重要となります。そのためには、1)目的に応じたデータ体系の再定義、2)組織・カルチャーの変革、3)部門を跨った業務プロセス、4)システム、の4つの観点での検討が必要になります。
背景
製造業においてデジタル化の波が広がりつつあり、従来からのシステム導入による業務の効率化にとどまらず、デジタルツインやスマートファクトリーをはじめ、サプライチェーンにおけるデジタル化の取り組みが活発になり、DXは各社の喫緊のテーマとなっています。一方で、製造業の根幹でもあるエンジニアリングチェーンの領域においては、3DCADやPLM等のシステムやツールの導入レベルの活動はあるものの、デジタルを活用してビジネスモデルやビジネスプロセスを変革するような取り組みには至っていないのが現状です。
調査結果(※一部抜粋)
Ridgelinezが独自に実施した「エンジニアリングチェーンに関する調査」(以下、本調査という)によると、製造業の幹部の95%以上の回答者が、企業競争力向上に向けたエンジニアリングチェーン強化の重要性を認識しているという結果が出ています。(図1 エンジニアリングチェーン強化の重要性に関する認知)
左図1 エンジニアリングチェーン強化の重要性に関する認知
右図2 3年後のエンジニアリングチェーンへのIT投資額の変化
今後3年間のエンジニアリングチェーンへのIT投資額についての調査では、「2020年に比べ増加する」と回答した企業が約60%に及び、重要性の高まりに応じてIT投資額も増加傾向にあると考えられます。(図2 3年後のエンジニアリングチェーンへのIT投資額の変化)
データ整備に取り組むことの重要性については、製造業に携わる人々が広く認識しているところであると考えられます。本調査では約83%の回答者がデータ体系整備を優先的に取り組むべき課題と認識しています。(図3 データ体系整備の優先度)
しかしデータ連携の課題認識度合いが高く、積極的にデータ連携に取り組んでいる企業においても、「設計・生産準備・製造部門間でのデータ連携が実現できている」と回答した企業は、「WGを立ち上げて取り組んでいる」企業で68%、「プロジェクトを立ち上げて取り組んでいる」企業で63%にとどまっています。(図4 設計・生産準備・製造間でのデータ連携可否)
図3 データ体系整備の優先度
図4 設計・生産準備・製造間でのデータ連携可否
調査概要
Ridgelinez が独自に実施した「エンジニアリングチェーンに関する調査」は、国内に拠点のある売上規模1,000億円以上の製造業企業に勤務し、エンジニアリングチェーンに関わるBOM(部品表)/BOP(工程表)をはじめとしたデータに関する知見を有している管理職以上の方を対象にオンラインアンケートを実施しました。
調査レポート
本調査レポートの詳細は、当社ホームページよりご覧いただけます。
https://www.ridgelinez.com/contents/insight/engineering-chain-20210901/
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
Ridgelinez株式会社について
Ridgelinezは、変革への志を持つ「チェンジリーダー」と共に、未来を変え、変革を創る変革創出企業です。「人」を起点にすべての変革を発想し、ストラテジー、デザイン、テクノロジーを組み合わせ、単なる最先端な未来ではない、人や社会の持続的な幸福が実現する未来を描き、新たな価値を創出し変革を実現します。戦略策定からビジネスモデル・ソリューション設計、業務プロセス・アーキテクチャー設計、オペレーションシステム開発、戦略実行、エコシステム構築・運用など、変革プロセスの最初から最後までを支援するコンサルティングサービスを展開しています。
調査レポートに関するお問い合わせ
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担当:Management Planning 立野、藤田、鳥居
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