「企業文化は戦略を圧倒する (Culture eats strategy for breakfast)」
経営学でしばしば引用される一節です。優れた戦略や計画を立てても企業文化が調和しないと成功は望めません。企業文化の重要性は言うまでもありませんが、企業文化は時として思考や行動のパターン化、新しい価値観の無視や拒絶といったデメリットをもたらし、変革の妨げになることがあります。
世界を代表する企業、長年にわたって成功を収めてきた企業ほど、強力な企業文化を有しています。その文化は社員一人ひとりに長年にわたって浸透されており、それを変えることは容易ではありません。
海外企業は文化を変えるために人や組織を入れ替えるが、日本企業には難しいといった話をよく耳にします。しかし、複数の外資系企業で変革を推進してきた経験から、決してそのようなことはありません。戦略以上に人や組織の変革に丁寧に時間をかけ、経営者は自ら新しい文化の範となるべく行動や発言を変え、社内外にコミュニケーションします。戦略を描き、組織を描き、人を描く。歴史と実績のある日本企業が変革を成功させるためには、戦略と同時に文化を描くことが重要です。