人の価値観の傾向調査「Human & Values Report 2022」
Ridgelinez は、「人」を起点にサステイナブルな社会を探求する「Human & Values Lab.(HVL)」を新たに立ち上げました。
「Human & Values Report 2022」は、ラボ初の「人の価値観」に関する調査レポートです。私たちは、独自に実施した「人の価値観のトレンド調査とアンケート調査(2021年実施)」の結果に基づいて、「人の価値観の傾向」「人と企業や製品・サービスの新しい関係性」「企業に必要なコミュニケーションの在り方」について考察しています。
私たちは、予測が困難な時代に生きています。2020年、新型コロナウィルスによって、私たちの生活様式やワークスタイルは変化を余儀なくされました。突如して訪れたこの変化は不可逆であり、ニューノーマルと呼ばれる新しい働き方、新しいコミュニケーションを形成しています。他にも、政治(西洋での二極化やグリーンな未来への投資)・経済(都市化・グローバル化の加速)・社会(性別の自由化・高齢化社会と孤独の蔓延)・技術(コネクテッドとビックデータ・仮想通貨やNFT)・環境(気候変動・エコの認知やアクティビズム)など、いくつもの社会的事象や潮流が人々の行動や価値観へ大きな影響を与え、社会のルール、企業のあり方をも変えようとしています。
サステナブルな社会や経済への変革が求められるVUCA*の時代において、企業が人を理解し、人を起点に社会を再構築することは、持続可能な未来をつくるという視点で最重要かつ優先度の高いテーマとなっていきます。しかしながら、従来のフレームワークや手法(年齢や性別といった属性からのデモグラフィック分析)だけでは、多彩に移り変わる人の行動や意識を捉えることが困難になってきています。それぞれの企業が有している既存のデータと人を理解するための新しいデータや考察を組み合わせ、人に寄り添った企業活動を行うことがますます重要になっています。
しかし、どうすればこの変化し続ける社会情勢の中、何を指針として人を捉え、企業は変革すべきなのでしょうか。私たちは、変革の要諦は「人の価値観(人生の様々な場面で行動や意思決定に大きな影響を与える、人が意識的に大切にしているもの)」だと考えています。そのため、HVLでは人が意識的に大切にしている「14の価値観」を定義し、人を捉えるためのHuman & Valuesモデルを提唱し、研究しています。
本レポートでは、2021年に実施した人の価値観調査をベースに、人と企業の『共鳴』をテーマとして、人の価値観はどのように変化し、顧客や従業員は企業にどのようなコミュニケーションや関係性求めているのかを考察しています。
VUCAは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を並べたもの。
VUCAの時代とは「予測ができない」社会情勢を示しています。
目次
- はじめに
- 人起点の重要性の高まり
- 人を理解するための新しい価値観モデル
- 新しい価値観モデルに基づく5つの特徴的な傾向
- Ridgelinezからの提言
- さいごに