HUMAN ∞ TRANSFORMATION ― 日本企業をリデザインする、人起点の変革リーダーシップ ―
- 出版社:日経BP 日本経済新聞出版
- 発売日:2023年5月12日
- 価 格:1,980円(税込)
- ISBN-10:4296116126
- ISBN-13:978-4296116126
不確実性の高い現代社会において、企業が競争優位性を確保するためには、経営者自らがリーダーシップを発揮し、組織全体を変革・改革へと導くことが求められています。
本書では、Ridgelinezが企業の変革支援を行った実例である、富士通株式会社(以下 富士通)が実行している全社DXプロジェクト「フジトラ」や、その過程で独自に確立したヒューマンドリブンの変革モデルなど、日本企業が自社の変革に今後どう取り組むべきかを実践的かつ具体的に提示します。
「スモールスタート」や「クイックウィン」といった「小さくても良いから結果を出す」だけでは変わることができない日本企業の本質的な課題を紐解き、変革リーダーシップの戦略として「人起点」による同時実行型の変革手法「4X思考」で、全社的な変革を加速させるモデルを提唱するとともに、CX(カスタマー・エクスペリエンス:顧客)、EX(エンプロイー・エクスペリエンス:従業員)、OX(オペレーショナル・エクセレンス:運営)、MX(マネジメント・エクセレンス:経営)で構成される「4つのX」を主軸とし、テクノロジー(T)を活用しながら、それらを同時に進行しながら企業を変革させる手法を解説します。
目次
1章 富士通、真のDXに挑む
世界がデジタルによる変革(DX)に向けて突き進む中、日本が出遅れたのはなぜか。新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、企業は「危機への対応」という形で対応を迫られました。それでも日本企業のDXを阻む要因と、「変わらない富士通」を変えるための取り組みをさまざまな事例とともに紹介します。
2章 リッジラインズ、出島としての決意
Ridgelinezがプロフェッショナル集団としての変革創出企業という形で立ち上がっていくには、従来の富士通とは一線を画すオペレーションモデルや組織運営を取ることが必要であり、そのためには本体と全く違う人材の採用、思い切った人事・報酬制度の導入、新たな行動規範の定義などが必須だと考えていました。企業のトランスフォーメーションにおいて最も大切な「人起点」の経営について紹介します。
3章 一人ひとりの行動変容から企業は変わる
企業のトランスフォーメーションには「組織内にいる人材が本来的に持っているパワーを最大限に発揮してもらう」ことが極めて重要です。事業、組織・人、パーパスの3つを「人起点」で捉え、持続的に進化する未来を創っていくためのアプローチについて紹介します。トランスフォーメーション実現のためのポイントとなる「人を捉える2つのeXperience」と「ビジネスを高度化させる2つのeXcellence」を掛け合わせた「4X思考」について解説します。
図 ヒューマンドリブンの変革モデル
4章 エクスペリエンスを変革させる「4X思考」
企業を変革に導く「4X思考」として、EX(エンプロイー・エクスペリエンス)とCX(カスタマー・エクスペリエンス)を起点として、全社にトランスフォーメーション(変革)を広げていった富士通とオルビスをケーススタディとして紹介します。
5章 ビジネスエクセレンスを高度化させる「4X思考」
前章とは異なる「4X思考」の変革事例としてマネジメントとオペレーションの変革、MX(マネジメント・エクセレンス)とOX(オペレーショナル・エクセレンス)の2つの側面から変革を進めていった企業をケーススタディとして紹介します。また、CX、EXを含む4つのXや、それぞれの連携を加速するためのデータとテクノロジーについても述べます。
6章 4Xを駆動させる、Ridgelinez独自の人起点アプローチ
人起点での行動変容を巻き起こしていく役割を担う企業経営者や幹部社員といったチェンジリーダーが、より深く人を理解し、変革を駆動させるための着眼点や方法論について、Ridgelinezが手掛けたプロジェクトなどの実践知を基に紹介します。
最終章 「フジトラ」を起点に日本を変革する
「12万人の従業員の力を本当に存分に使い切れているのだろうか」という自問のもと、富士通 代表取締役 時田氏が進めたパーパスの変革。そして、「フジトラ」を起点に、デジタル技術を駆使して企業や組織の変革を実現していくなかで設立されたRidgelinez。富士通とRidgelinezのシナジーにより日本企業に提供していく価値について、富士通 代表取締役 時田氏とRidgelinez CEOの今井の対談形式でお伝えします。
全体監修・執筆者紹介
- 監修者・田中道昭立教大学ビジネススクール教授、戦略コンサルタント。Ridgelinez戦略アドバイザー。専門は企業・産業・技術・金融・経済等の戦略分析。日米欧の金融機関にも長年勤務。主な著作に『GAFA×BATH』(日経BP 日本経済新聞出版)、『2025年のデジタル資本主義』(NHK出版)など。テレビ東京WBSコメンテーター。日経新聞電子版Think!エキスパート。
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今井俊哉Ridgelinez株式会社
代表取締役CEO約30年にわたり、コンサルティング業務に従事。富士通を経てブーズ・アレン・アンド・ハミルトンに14年在職。その後、SAPジャパン(バイスプレジデント)、ベイン・アンド・カンパニー(パートナー)、ブーズ・アンド・カンパニー (代表取締役)、PwCコンサルティング(副代表執行役)を経て、2020年より現職。 -
田中培仁Ridgelinez株式会社
Director
Chief Creative Directorブランド戦略と事業戦略を繋いだ新規事業創出プロジェクトを主導。統合的なクリエイティビティを強みとし、DXビジョン構想、新サービスデザイン/ブランディング、組織/カルチャー変革など100件を超えるプロジェクトを牽引。グッドデザイン賞2013/2015/2021、SDA賞、日経ニューオフィス賞など。
※所属・役職は掲載時点のものです。
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「変わり切れない」富士通を動かした「人起点」の全社変革とは
本書で実践アプローチを解説する、富士通の全社DXプロジェクト「フジトラ」。富士通がその活動をスタートさせてから約3年が経過し、その間、富士通はどう変わってきたのか。
フジトラの陣頭指揮を執ってきた富士通 執行役員EVP CDXO(兼)CIOの福田 譲と、その伴走者としてフジトラの活動を支えてきたRidgelinez CEOの今井 俊哉が、これまでの変革の道のり、現在、今後について対談した様子をまとめています。是非ご覧ください。